昭和の化石の英語教室

昭和の終わりに日本を離れたラッキーな老人の英語教室

初級英語(3):英語のふたつの「い」

英語には、日本人の耳には「い」に聞こえる母音が「ふたつ」あります。次のふたつの単語を、よーく聞いてください(リンクは「ケンブリッジ辞典」のサイト)。

 

(1)pick (単語をクリックしてください); 「選ぶ」「摘み取る」

(2)peak;「頂上」「絶頂」

 

発音記号で書くと

(1)| pɪk |

(2)| pik | (辞書によってはコロンをつけて ’i:’ としているものもあります)。

日本人の多くは、(1)の母音を「いっ」(ピック)、(2)を「いー」(ピーク)と発音してしまいます。これは、間違いです。(1)| ɪ | と (2)| i |  は違う母音です。

 

まず、(1)pick が(2)peak より短いわけではありません。音の「質」が違うだけです。よーく聴かれるとわかると思いますが、(1)pick の | ɪ | の音は、日本語の「い」と「え」の間のような音なんです。(2)| i | は、日本語の「い」とほとんど同じです。

 

次のようにして練習してください。まず、簡単な方の(2)| i | 。日本語の「い」を大袈裟に、口を両側に思いっきり広げて、言ってみてください。普通日本人が喋る時、口をあまり動かしません。それでも日本語は通じるからです。英語では、これではうまくいきません。最初は少し恥ずかしいのですが、口を思いっきり広げて「いいいい」と言ってください。

 

さて問題の | ɪ | の発音です。これができるかどうかが「勝負」です。「ずらし法」というやり方で練習します。 | ɪ | は日本語の「い」と「え」の間みたいな音です。まず「いいいいい」と言い続けてください。そのままやめないで、ゆっくりと「え」に向けて音をずらしてしてみてください。こんな感じです。「い•い•い•え•え•いえ•え•え•え」。 | ɪ | は、「い」から「え」に徐々に変わっていく途中の音です。「い」でも「え」でもない変な音です。

 

一旦この変な| ɪ |の音を捕まえたら、もうあなたは勝ったも同然です。今度は、その音を繰り返します。| ɪ |•| ɪ |•| ɪ |•| ɪ |•| ɪ | 。。。繰り返しますが、「い」でも「え」でもありません。そして最後に口が忘れる前に ”pick” と言ってみてください。”peak” とは全然違うでしょう?

 

あとはもう練習です。

big, sit, などなど。「いっ」でないことは、耳が慣れていきます。一月くらいで治ります。

 

追記:以下のサイトであなたの「耳」をテストできます。まずオーディオをきいて(三角をクリック)、どっちの順番で言ったかあててください(左か右をクリック)。

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