"Can" と "can't" の区別
先日少し触れましたが(→「母音のリダクション」について その2)、アメリカ式の発音では "can" と "can't" の発音の区別が難しいことがあります。なぜかというと、アメリカ式の発音では、"can't" の最後の "t" が聞こえないからです。つまり、"can't" は /kæn?/ と発音されます。このことは普通、辞書には書いてありません。
この "?" は "glottal stop" (声門閉鎖音)と呼ばれる喉の動きです。日本語の掛け声で「はっ!」と言う時、「は」の後突然息を止めるあの動きです。聞こえる「音」は出てきません。従って、"can" を教科書通り /kæn/ (←クリック) と発音してしまうと、アメリカでは "can't" と区別できなくなります。
因みにイギリス式発音では、"can't" は /kɑ:nt/ と発音するのでこういった問題は起きません。ただし、この発音は、女性性器あるいは「ばか・低俗」を意味する "cunt" /kʌnt/ に近いので気をつけてください。あなたが "can't" をイギリス式に発音して、もしネイティブがニヤッとしたら、/ɑ:/ が短すぎます(ま、言いたいことは通じますが、笑)。
アメリカ式発音では、"can" はストレスのない時には、/kən/ と発音されます。ストレスのある時だけ、例えば "Yes, we can!" などの場合だけ、/kæn/ と発音されます。"can't" は常に /kæn?/ と発音されます。"cannot" は話し言葉では使われません。例:
John: When cən you go to the movies with me?
Lisa: I cæn’t go this weekend because I have to work.
John: Cən you go on Monday?
Lisa: I think I cən go then, let me check my schedule. Yes, I cæn!
(source: https://www.confidentvoice.com/blog/how-to-pronounce-can-and-cant/)
最後に、私の大好きなユーチューバーの Vicki と Jay が "can vs can't" について面白おかしく説明しているので、ぜひご覧ください。
How to say CAN and CAN'T in British and American English - YouTube