昭和の化石の英語教室

昭和の終わりに日本を離れたラッキーな老人の英語教室

英語

歳をとってからの英語の勉強方法

歳をとってから何かを勉強をするのは、もちろん不利です。私(60代半ば)なんか、1日の何割かは、どこに置いたか忘れたものを探すのに費やしています(携帯はどこだ、とか)。50年前のことは「昨日のこと」のように覚えているのに(失笑)。 歳をとってか…

"Can" と "can't" の区別

先日少し触れましたが(→「母音のリダクション」について その2)、アメリカ式の発音では "can" と "can't" の発音の区別が難しいことがあります。なぜかというと、アメリカ式の発音では、"can't" の最後の "t" が聞こえないからです。つまり、"can't" は /…

初級英語(16):「母音のリダクション」について その2("can" の発音)

先日説明いたしましたように、複数の音節からなる英単語では、ストレスのない音節の母音は大体「シュワ」/ə/ (曖昧母音)になります(人によっては /ɪ/ みたいになることもありますが、聞いた感じはほとんど差はありません)。 この現象は「母音のリダクシ…

どういった英語の先生が良いのか

英語の先生としてネイティブがいいのか、日本人がいいのか、はたまた日本人以外の非ネイティブ(例えばフィリピンの人)でもいいのか、そこら中で意見されています。それぞれの「メリット・デメリット」とか並べて、比べていらっしゃるようです。 こういった…

初級英語(15):「母音のリダクション」について その1

前回、英語の「音節」、喋り言葉の最小単位、についてのお話をさせていただきました。 ここです→ 初級英語(14):まず「音節」という概念を理解する 今回は、これを基にして、英語の発音で非常に重要な「母音のリダクション」"reduction" の説明をしてい…

英語学習者の陥りやすい三つの「罠」

私の経験上、英語学習者、特に初級者の陥りやすい「罠」が三つほどあります。私自身が陥って、後で這い上がるのに苦労したので、お伝えいたします。 1)ネイティブの発音をずっと聞き続ければ、「自然に」発音がよくなる。 そうなりません。簡単な発音(例…

「ネイティブが毎日使っている言い方」は使わない方がいい?

英語の挨拶で、"How are you? I'm fine, thank you, and you?" は教科書を読んでいるみたいで「格好悪い」と思われている人はたくさんいます。しかし私たちが英語を勉強する目的は、会話をするためであって、「格好」をつけるためではないと言うことを、忘れ…

初級英語(14):まず「音節」という概念を理解する

今まで、英語の「音」の話ばかりしてきましたが、そろそろ英語の「音節」の話をしなくてはなりません。これがわからないと、発音練習の次のステップに進めません。 日本語の音のユニットは基本「子音+母音」で構成され、例えば「か」("k"+"a") がそうです。…

「早期英語教育」は役に立つのか。

ご存知かもしれませんが、中国の「教育ママ」は日本の比ではなく、「虎ママ」と呼ばれ恐れられています。うちのカミさん(中国人)は、ここ中国・武漢で子供たち(小・中学生)に1対1で英語を教えていて、「虎ママ」の扱いには比較的慣れています。慣れて…

"Accurate English: A Complete Course in Pronunciation" by Rebecca M. Dauer

英語の発音に関して、私が「バイブル」としているのがこの本です。著者は有名な言語学者です。私が発音のトレーニングを受けたのもこの本だし、私のブログもこの本に書いてあることを基にして書いています。 古い(1992年)本なんですが、いまだにアマゾ…

「英語ネイティブのように話す」という目標について。

私の個人的見解では、「ネイティブのように」英語を話すことを目標にすると、英語の上達がかえって遅れてしまうと思います。 私も以前はそうだったんですが、英語学習者は大抵「ネイティブのように」会話できたらいいなと思っています。実は、そこに「わな」…

初級英語(13):"girl" の発音をマスターする

"girl" の発音 (←単語をクリック) は、日本人英語学習者の最初の難関になるかもしれません。この単語にある四つの音素のうち、三つまでが日本語にありません。従って、「モノマネ」の天才でない限り、「耳」で聴いて真似できる人はほとんどいないと思います…

英語を楽しく学べる方法。

そんな方法はありません。 「英語の映画・ドラマを見て、楽しみながら勉強する方法」の類はそこら中に宣伝しているので、試した人はたくさんいると思います。実は私もそうです。楽しみながら英語が勉強できるのなら、私のような怠け者には向いていると。 全…

初級英語(12):「暗いL」の発音

「L」の発音は日本人にとって難しくありません。舌先を上歯茎の裏につけて "la la la..." です。簡単です。 "la la la..." のついでに、"ta ta ta" "da da da" "na na na" と言ってみてください。子音の L/T/D/N の舌の位置は全部同じです。覚えておくといい…

外国語は「耳」で覚えられる?

私は今、中国の武漢にいるんですが、日本語を勉強したい学生は結構いて、私は時々練習台として使われます。彼らの出身地にもよるんですが、「ら行」が「な行」になる人がいます。例えば、「さよなら」が「さよなな」になります。 ある日そんな子がうちのレス…

初級英語(11):発音ー /n/ と /ŋ/ (ng) の違い

まず耳のテストです。次のそれぞれの音は、どっちが "king" /kɪŋ/ (キング、王) で、どっちが "kin" /kɪn/ (キン、親族) か分かりますか? 単語1、単語2 (「単語1・2」をクリックしてください) 答えはこの記事の終わりに書いてあります。 キングの「グ…

初級英語(10):アメリカ式発音の「R」色の母音

「R色の母音」とは、"doctor" (←クリックして発音を聞いてください) の "or" とか "first" の "ir" に出てくる音です。このR色の母音はイギリス式発音では、実質上存在しません。 例えば "car" の発音を比べます。アメリカ式 /kɑr/、イギリス式 /kɑː/ つまり…

中級英語(2):英作文ー "very" はなるべく使わない

"Very" は、形容詞・副詞の前に置かれ、強調の意味で使われます。 I saw a very large dog. 少なくとも英作文では、"very" はなるべく避けたほうが、文章は引き締まります。上の例では、"very large" を次のように、一つの形容詞で置き換えるようにします。 …

中級英語(1):英作文ー「動作」はちゃんと「動詞」に入れること。

私は昔、日本の生命科学研究者の書かれた英語を添削していたことがあるんですが、そこで気づいたことがあります。先生方の書く英語の文章は、文法的には間違っていないけれども、「読みづらく」不自然だと言うことです。学術論文においても、「読みやすさ」…

「イギリス式発音」を学ぶ時、気をつけた方がいいこと。

英語を母国語としない人と話す時には、いわゆる「イギリス式発音」は全く問題ないでしょう。なんとなく「賢く」聞こえるし、発音も「アメリカ式発音」より明確だと感じていられる方も多いでしょう。 しかし、「イギリス式発音」を習いたい人は、絶対に知って…

初級英語(9):「巻き舌」で「R」の発音をするのはやめた方がいい。

「R」(←クリック)の音は日本人が苦手とする音で、「ラ行」の音になってしまいます。白状すると、私自身も時々そうなってしまいます(笑)。残念なことに、「R」は、特にアメリカ式発音では、至る所に出てきます。 「R」の発音には二つの方法があって、一つ…

初級英語(8):英語でもっともよく使われる母音ー「シュワ」/ə/

喋る英語でもっともよく使われる母音は /ə/ です。IPAでは、"e" がひっくり返った記号を使います。あまりに頻繁なので、名前までついていて「シュワ」(schwa) と呼ばれています。英語学習者は、この名前を覚えておいた方がいいでしょう。 残念ながら、この母…

英語の発音練習をYoutubeでするには、ここをお勧めします(初心者向け)

初めにいっておきますが、これは「宣伝」ではありません。私はこのYTチャネルのオーナーと全く関係がないことを明言しておきます。 私が推薦するのはここです。→ www.youtube.com どうやらアメリカに住む日本人の女性と、その子供たち(バイリンガル)の作っ…

初級英語(7):アメリカ式発音にはほぼ存在しない「お」の音、その2

「お」の話の続きです(赤の点線で囲ったところ)。 上の図で赤で囲ったところの /ɒ/ を見てください。すぐ近くに /ɑ/ があるのがわかると思います。両者の違いは唇の形です。 実験してみましょう。 1)まず(日本語にはない)/ɒ/ の音を探します。「おー」…

初級英語(7):アメリカ式発音にはほぼ存在しない「お」の音、その1

日本語の「お」に聞こえる英語の母音は、下の図で赤の点線で囲ったところです。 英語の短母音。 発音記号 (/IPA/)では、"c" のひっくり返った /ɔ/ か、"ɑ" のひっくり返った /ɒ/ が使われます。どちらの記号を使うかは実は混乱していて、辞書によっても違う…

なぜ「証拠」と言わずに「エビデンス」と言うんですか?

「証拠」という皆が知っている単語を使わないで、長ったらしい五文字の「エビデンス」を使う意味が、昭和の私には全く理解できません。はっきり言って、非常に鬱陶しいです、はい。 私は、カタカナ英語が大嫌いです。まず、読みにくいです。漢字だと、パッと…

初級英語(6):日本人のほとんどが間違う「二重母音」の /oʊ/(オウ)

「二重母音」(diphthong) とはその名のとうり、母音が二つ重なった音です。例えば、"my /maɪ/" の /aɪ/ (アイ) の音です。英語には全部で八つの二重母音があります。日本人は、大抵の二重母音を問題なく発音できます。 しかし一つだけ、ほとんどの日本人が間…

英語・英会話教室に通う意味はあるのか。

うちのカミさんは、ここ中国で子供に英語を教えています。それをずっとみてきた経験からすると、子供を英語教室に通わせるのは、少しだけ意味があると思います。自分から自主的に勉強する子供はほとんどいないからです。同時に、子供英語教室は、テスト中心…

初級英語(5):英語の「え」

日本人の英語の発音について、よく「R」と「L」の区別がつかないと言われます。しかし私が思うに、これは比較的小さな問題で、一番の問題は母音の発音です。日本人の英語初・中級者の多くは、日本語の母音で英語の発音をしてしまいます。これでは通じません…

「ネイティブ」の言い方を覚えるのが良くない場合。

私は今中国にいるんですが、中国語は得意でないので、学生さんとは英語でしゃべります。彼らは英語圏への留学を目指している人が多くて、私と英語の練習をしたいのでしょう。 昨日そんな学生さんと世間話をしていて、一つ気になったことがありました。李さん…