昭和の化石の英語教室

昭和の終わりに日本を離れたラッキーな老人の英語教室

初級英語(15):「母音のリダクション」について その1

前回、英語の「音節」、喋り言葉の最小単位、についてのお話をさせていただきました。

ここです→ 初級英語(14):まず「音節」という概念を理解する

今回は、これを基にして、英語の発音で非常に重要な「母音のリダクション」"reduction" の説明をしていきます。これができるかどうかは、あなたの発音がより「自然」に聞こえるかどうか、に関わってきます。

さて日本語では、50音(日本語の音節みたいなもの)を、一つ一つはっきりと発音することによって、わかりやすくなります。ところが、英語で「自然」に喋るためには、全ての音節をはっきり発音してはいけません

ストレスのある音節の母音は、はっきりと発音し、ストレスのない音節の母音の多くは、曖昧母音の「シュワ」/ə/(詳しくはここ→英語でもっともよく使われる母音ー「シュワ」/ə/)に変わります。この現象を「母音のリダクション」と呼びます。これは決して「いいかげんに」発音しているわけではありません。こうしないといけないのです。

 

例1:ba.nan.a ("." は音節の区切り); 発音→ /bə.næn.ə/

(右端の点々をクリックすると、再生スピードを変えられます。)

つまり、最初と最後の "a" は、シュワを使って短く「サクッと」発音します。

 

例2:em.bar.rass.ment; /əm.bɛr.əs.mənt / (最初の/ə/が/ɪ/となっている辞書もありますが、発音はほとんど変わりません)

これもそう。ストレスのある音節の母音だけを、はっきりと発音します。「メリハリ」をつけます。