初級英語(8):英語でもっともよく使われる母音ー「シュワ」/ə/
喋る英語でもっともよく使われる母音は /ə/ です。IPAでは、"e" がひっくり返った記号を使います。あまりに頻繁なので、名前までついていて「シュワ」(schwa) と呼ばれています。英語学習者は、この名前を覚えておいた方がいいでしょう。
残念ながら、この母音は日本語にないので、口が覚えないと使えません。ちなみに、二番目によく使われる母音 /ɪ/ も共通日本語にはありません(注)。
(注):方言には、英語の /ɪ/ に近い音があります。東北弁で「駅、えき」というと、東北以外の人には「いき(ぎ)」に聞こえるかもしれません。この時の「い」と「え」の間みたいな音が、英語の /ɪ/ に近い音です。
「シュワ」/ə/ は母音図でここです。
シュワの音は、周りの音によって少し変わってきます(赤で示した領域)。発音記号で /ə/ となっているからといって、いつも全く同じ音だと思わないでください(この点については、他の母音も同じことが言えます)。
シュワを発音するのは簡単です。
まず、誰かに鬱陶しいことを言われた時のことを想像してください。口を半開きにして、ぶっきらぼうに「はあ?」と言ってみてください。その「あ」がシュワの音です。いい加減な「あ」の音です。英語では、常に短く発音します。「曖昧母音」とも呼ばれます。
シュワは至る所に出てきます。
"the" /ðə/ (発音は単語をクリック)
"ago" /əɡoʊ/
「アゴー」と発音すると多分通じません。最初は曖昧母音のシュワ、次は「ゴー」ではなく「ゴウ」です。
参照:初級英語(6):日本人のほとんどが間違う「二重母音」の /oʊ/(オウ)
"Japan" /dʒəpæn/
「ジャパン」はNG。最初の "a" はシュワ、二番目の "a" は /æ/ ("cat" の "a") を使って練習してください。
母音の初級レッスンは今回で終了です。以下に、これまでの母音のレッスンをまとめておきました。参考にしてください。
初級英語(7):アリメカ式発音にはほぼ存在しない「お」の音、その2
初級英語(7):アリメカ式発音にはほぼ存在しない「お」の音、その1