昭和の化石の英語教室

昭和の終わりに日本を離れたラッキーな老人の英語教室

初級英語(6):日本人のほとんどが間違う「二重母音」の /oʊ/(オウ)

「二重母音」(diphthong) とはその名のとうり、母音が二つ重なった音です。例えば、"my /maɪ/" の /aɪ/ (アイ) の音です。英語には全部で八つの二重母音があります。日本人は、大抵の二重母音を問題なく発音できます。

 

しかし一つだけ、ほとんどの日本人が間違って発音している二重母音があります。アメリカ英語(*1)の /oʊ/ (オウ) の音です。大抵の日本人が、/oʊ/ (オウ) を /ɔ:/ (オー) 発音してしまいます。

*1 標準英国アクセントには、基本 /oʊ/ の音はありません。/əʊ/ に変わります:"know" (英:/nəʊ/, 米:/noʊ/)。"e" のひっくり返った /ə/ の音は「シュワ」(schwa) と呼ばれる、いわゆる「曖昧母音」です。のちに説明します。

 

間違った発音の例 (発音を聴くには単語をクリック):

"low" /l/ (低い) と言いたいのに →→ 間違って /lɔ:/ "law" (法律) と発音してしまう。

"loan" /ln/ (住宅などのローン、本当はロウン)と言ったつもりが →→ /lɔ:n/ "lawn" (芝生) と言ってしまう。

 

なんでこうなるのかというと、日本語では「オウ」は「オー」と発音するからです。

例:「おとうさん」→「おとーさん」、「とうきょう」→「とーきょー」

日本人の「口」は自動的にそうなるので、その癖が英語に伝染して、英語の /oʊ/ (オウ) も /ɔ:/ (オー) になってしまいます。このように母国語の癖は、気をつけないと、習っている外国語に必ず伝染します。