昭和の化石の英語教室

昭和の終わりに日本を離れたラッキーな老人の英語教室

英語・英会話教室に通う意味はあるのか。

うちのカミさんは、ここ中国で子供に英語を教えています。それをずっとみてきた経験からすると、子供を英語教室に通わせるのは、少しだけ意味があると思います。自分から自主的に勉強する子供はほとんどいないからです。同時に、子供英語教室は、テスト中心に行っているところが多いので、この場合、学校の成績は少し上がります。本当のお客さんは親御さんですから、子供の英語の成績が上がらないと商売が成り立ちません。

 

さて、いわゆる「英会話」教室は話が全く変わってきます。

 

実際に英会話が上達するかどうかは、1)本人の努力と2)先生の教える能力にかかってきます。私の経験では、1)本人の努力は、実は本人の力ではどうにもなりません。私がどんなに「頑張っても」お腹の周りの贅肉がとれないのと一緒で、大抵の人は「よし、今日から英語を練習するぞ!」の決心は、ま、せいぜい一週間で終わります。

 

従って、2)先生の教える能力が非常に大切です。もっとも、あなたの英会話が上達しなかった場合、あなたはまず自分の「努力の無さ」を責めてしまうので、先生としては責任を追求されることは、まずありません。一方、いい先生にたまたま当たると、やる気も出てくるので、1)本人の努力の程度も上がってきます。一石二鳥です。

 

では、どういった先生がいいのでしょうか。実は、私は専門家ではないので、よくわかりません。でも、役に立たない先生ならわかります。

 

私が思うに、一番役に立たないのは、教科書を読みながら「Repeat after me」の教え方をする先生です。こんなことなら、Youtube のビデオでも使って、自分で出来ます(しかも無料)。問題は、あなたが間違った発音をした時、それを直せる人かどうかです。そこにお金を払っているわけです。

 

ネイティブの先生だと、理論的には有利です。彼らは、あなたの間違った発音は直感的にわかります。ただ、それを直せるかは、全く別問題だと思います。

 

例えばあなたは、日本語の「ん」の音が最低でも3種類あることを知っていますか。「しんぶん」の最初の「ん」は口を閉じ、二番目の「ん」は少し開いています。考えることなく、自動的にそうなります。一方、外国人には、これは自動的にはできません。間違えると、ちょっとおかしく聞こえます。あなたが日本語を教えているとしたら、この間違いはすぐ聞き取れます。でも、治せますか?「はい、よくできました」で次に進みことはないですか?

 

専門的に言語学を習った人でなければ、英語ネイティブであれ、あなたの英語の発音が何故おかしいのか、わからないのです。「Repeat after me」を繰り返すだけで、それでも治らないと、普通面倒になって、「very good!」と言って、次に進みます。あなたの発音の悪い癖は「化石」のように、段々と硬くなっていくかもしれません。

 

英会話教室にしばらく通うと、多分、ネイティブの先生と会話が少しできるようになります。でも、あまり勘違いしない方がいいと思います。これは、主に、その先生があなたの発音に慣れた結果でしょう。それと、おそらくあなたの「度胸」が上昇した結果でしょう。これはいいことです。

 

おそらく理想的な英会話の先生は、TESOLなどの資格を持った、しかも日本語で説明のできる先生でしょう。そういった方はほとんどいませんが、もしいたら、お金は無駄にはならないと思います。