昭和の化石の英語教室

昭和の終わりに日本を離れたラッキーな老人の英語教室

中国からの迷惑電話について

私は中国に住んでいる日本人です。ご存知のように、日本政府が福島からのALPS処理水の放出を始めてから、中国からの迷惑電話がひっきりなしにかかっています。それに関しての、私なりの分析です。

放出以前から中国政府はこれを「核汚染水」と呼び、日本の行為は非常に危険で無責任である、とのキャンペーンをやっていました。中国では反政府的な意見は公には出てこないため、政治に関わる報道は一方的になります。その結果でしょうが、私の周りでも心配している中国人がかなりいます。「上海に友達がいるけど、あそこは海に近いので危ないんじゃないか」とか、そういう心配です。一般の人たちにとって「放射能」とは、何か得体の知れない、目に見えない怖いものだということは、お分かりいただけると思います。

しかし、こうした一般の人たちが迷惑電話をかけているのではありません。中国には14億の人間がいますから、仮に「一万人にひとり」が電話をかけても、十万件以上の迷惑電話がかかってくることになってしまいます。言い換えれば、ほとんどの中国人は不安は感じているでしょうが、日本には何もしていません。12年前の尖閣諸島国有化の時にも私は中国にいたのですが、あの時の大騒ぎに比べると(実際「危ない」と感じました)、今回は全く静かです。

じゃあ、どういった人たちが迷惑電話をかけているんでしょうか。これは私の想像ですが、おそらく大半は無職で「ぶらぶら」している若者たちでしょう。迷惑電話をかけているところをビデオにでも撮ってSNSに投稿し、うまくいけば、たくさんの人が見てお金が入る、とこういう魂胆でしょう。あるいは、単に面白そうだから、とか。彼らは特に政治的な背景はないので、「流行り」が終わったら何もしなくなります。

一方、中国のネットには「憤青」と呼ばれる極端な国粋主義の若者がいます。日本の「ネトウヨ」みたいなものです。こういう若者は、日本が何かするとネットで大暴れします。彼らもおそらく日本に迷惑電話をかけて、しかも、汚い言葉で喚き散らしたでしょう。そのビデオを英雄気取りでSNSに投稿したと思います。ただ「ネトウヨ」と同じで「憤青」の数は多くないので、迷惑電話の大半は彼らではないと思います。

これ以上ひどいことにならないことを祈っております。