昭和の化石の英語教室

昭和の終わりに日本を離れたラッキーな老人の英語教室

初級英語(4):英語の二つの「う」

日本語の母音は「あいうえお」の五つですが、英語には全部で15−20(「母音」の定義による)ほどあります。私の個人的な見解では、英語の「聞く・喋る」力がなかなか伸びない日本の方は、英語の母音の発音が間違っています。日本語には無い母音が、英語にはたくさんあるということ自体を知らない人もいらっしゃいます。学校であまり系統的に教えていないようです。

 

前回、(アメリカ)英語において、日本人には全部「あ」みたいに聴こえる母音が実は三つあること、また「い」みたいに聴こえる母音が二つあることを説明いたしました。

初級英語(2):アメリカ英語の三つの「あ」その1 - 昭和の化石です

初級英語(2):アメリカ英語の三つの「あ」その2 - 昭和の化石です

初級英語(3):英語のふたつの「い」 - 昭和の化石です

 

今回は、「う」のように聴こえる二つの母音についてお話しします。

(1)food(発音はここをクリック)ー 発音記号:| fud |。辞書によっては、特にイギリス英語では| fu:d |としてあることも多いですが、同じものです。

(2)woman(発音)ー | wʊmən |。他には foot | fʊt | など。

 

いわゆる「カタカナ英語」では、food は「フード」、woman は「ウーマン」、いずれも「うー」なので区別がつきません。

 

food の | u | の音は、日本語の「う」を口をうんと尖らせて(大袈裟なキスをするように)、少し長めに「うー」と発音してください。最初はちょっと恥ずかしいかもしれませんが、こうしないと、次の | ʊ | の音と区別がつきません。

 

woman の | ʊ | は日本人には少し難しい音です。この音を出すには、まず口をあまり尖らせてはいけません。と同時に、日本語の「う」より、少しだけ(5ミリから1センチくらい)口を下に開きます。こうすると、少しだけ「お」みたいな音が混ざってきます。さらに口を開けると、ほとんど「お」になっちゃうので注意してください。

 

最後に | ʊ | は| u | よりも、「大抵の場合」短い音です。しかし英語の母音の長さは、後にくる子音によって、ずいぶん変わります。この点、日本語と違います。

 

例えば big の | bɪɡ | (発音)は hit の | hɪt | (発音)より、長くなります。また woman の | wʊmən | (発音)は full の | fʊl | (発音)より長くなります。英語の母音の長さについてはいずれ説明いたします(中級)。とりあえず、同じ母音でも長さは変わると言うことだけ、覚えておいてください。