昭和の化石の英語教室

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初級英語(7):アメリカ式発音にはほぼ存在しない「お」の音、その1

日本語の「お」に聞こえる英語の母音は、下の図で赤の点線で囲ったところです。

英語の短母音。

発音記号 (/IPA/)では、"c" のひっくり返った /ɔ/ か、"ɑ" のひっくり返った /ɒ/ が使われます。どちらの記号を使うかは実は混乱していて、辞書によっても違うし、言語学の専門家同士でも喧嘩しています(笑)。大切なのは、次の点です。

 

/ɔ/ の音は日本語の「お」に近い音で、標準イギリス英語の音で、基本アメリカ英語には存在しません(辞書によっては、まだこの記号をアメリカ英語に用いているものも存在しますでの、気をつけてください)。

 

普通長く (ɔ:) 発音します。こんな感じです(イギリス英語の発音、単語をクリック)。

"law" / lɔː /

"daughter" / dɔːtə /

"caught" / kɔːt /

 

さて、同じ単語をアメリカ式に発音すると、こんな感じです。

"law" / lɒː /

"daughter" / dɒːtər /

"caught" / kɒːt /

同じように長い音ですが(注)、「あ」の音が混ざっていることが聞き取れるでしょうか。

注:辞書によって、アメリカ式発音には "ː" を省略しているものもあります。

 

この /ɔ:/ と /ɒ:/ の音の違いは、/ɒ:/ は /ɔ:/ に比べて口を大きく開けている(上の図では、舌の位置が下にくる)ことから発生します。実験してみてください。普通に日本語の「おー」を言いながら、唇の形をそのままにして、顎を少しづつ開いてください。だんだんと「あ」の音が混ざってくるのがわかります。

 

ちなみに、/ɒ/ の音は、標準イギリス式発音では、「短め」に発音されます。

例:"hot" /hɒt/, "Oxford" /ɒksfəd/ など。

「カタカナ英語」で「オッ」と書く奴です。アメリカ式の発音に「オッ」は存在しません。