昭和の化石の英語教室

昭和の終わりに日本を離れたラッキーな老人の英語教室

中級英語(1):英作文ー「動作」はちゃんと「動詞」に入れること。

私は昔、日本の生命科学研究者の書かれた英語を添削していたことがあるんですが、そこで気づいたことがあります。先生方の書く英語の文章は、文法的には間違っていないけれども、「読みづらく」不自然だと言うことです。学術論文においても、「読みやすさ」は非常に重要です。レビューワーの印象にも、深く関係してきます。

 

日本の先生方の多くがこんな感じの英語を書きます。

1) We carried out the analysis of XYZ.

The development of XYZ method was necessary.

自然な英語の文章では、こんな感じになります。

2) We analyzed XYZ.

We needed to develop XYZ method.

このほうが、「読みやすさ」があがります。お分かりになると思います。

 

何が違うかというと、1)では、「動作」が「名詞」(analysis, development)、2)では「動詞」(analyze, develop) になっていると言うことです。それだけのことで、「読みやすさ」が随分変わってきます。1)ではおそらく、日本語の書き方(XYZの解析を行なった)がそのまま英語に伝染したのだと思います。

 

英語で考えている脳は、「動作」は「動詞」の中にあることを期待します。「何が」「どうした」と言う構文で、「どうした」は「動詞」であることを期待します(S+V:Verb, 動詞)。その期待が破られると、脳は「どうした」を探さないといけなくなって、「読みやすさ」が下がります。コーヒーを何杯が飲まないと、文章がわからないという状態になります。